横断旅行一日目:ワシントンDC~オハイオ | koroのいきあたりばっ旅:アメリカ大陸横断編

横断旅行一日目:ワシントンDC~オハイオ

2005年8月6日。


誰が考えても無謀だと思えるアメリカ横断旅行に出かける日がやってきてしまった。僕の親切な友達のうち何人かは最後まで「やめとけって、そんなことできるわけないって、今からでもやめられるって」と必死でひきめてくれたけれど、もう無理なんだよ。俺だって横断してみたいんだ。


彼女が朝僕のアパートまでやってきて、そこに荷物をいろいろ詰め込む。僕らが旅行にあたって用意したものは、参考までに書いておくと、


水着厚手の長袖シャツを含む服。なにしろアメリカは広いから、真夏とはいっても北のほうでは夜とかもしかしたら寒くなるかもしれない(あとでわかったが、これは大正解だった)。それから西海岸やや南部に行ったら当然泳ぐつもりだったので水着も必須だ。


水と食料品。ほとんどハイウェイが続くし、日本とは違ってハイウェイで喉が乾いてもちょっとすぐそこで休憩を、というわけにはいかないのでミネラルウォーターも必需品だ。それにもしオーバーヒートしても水をかけてエンジンを冷やせる。食料は当然日本食。東部や西海岸はともかく、一度内陸に入ると貴重な日本食はほとんど手に入らないだろうと思って何食分か用意したのだ(ちなみに炊飯器とお米も含む)。あとでわかったのだけれど、この判断は大正解だった。特に旅の後半になってくるとアメリカの食事にすっかり飽きてしまい、日本食にひどく飢えることになる。


まぁもちろん他にもいろいろあるけど省略。あ、あと持っていったものとしてはCDをどっさり。なにしろ一日車の中にいるわけだから音楽でもきいてないとやってられないわな。邦楽洋楽関係なく適当に二人で持っているCDをかき集めて車に乗せた。


これらを車のトランクにどさどさと積み込む。車はトヨタのラブフォー。彼女が運転しなれてる車だ。中古とは言ってもまだ新しいし、この旅のあいだ持ってくれるだろう・・・。なにしろ車がおじゃんになったらもうおしまい、になってしまうのだ。


天気は快晴とはいかないまでも気持ちの良い晴れで暑く、出発するにはうってつけの日だ。


朝9時55分に、「うーし、いくぞー」と二人で叫んで出発する。


まずはDCから北西の方向に向かう。僕らの旅の計画では、北周りでシカゴを通り最初の目的地、サウスダコタ州のラピッドシティを目指す。


そこから西に向かい、カリフォルニアを南下してロスから東に向かい、テキサスを通ってアメリカ南部を突破してフロリダに到達したあと南に戻ってワシントンDCに戻ってくる、というルート。


これをだいたい20日くらいかけてめぐろうということになっていたが、まぁきつければ途中でどんどん変更していこうよ、というまぁいつものばっ旅であります。


DCからまずメリーランド州に入り、そこからハイウェイに乗って北上する。このへんはまだDC近郊という感じで、まだまだ旅も序の口だね、と言いながら冗談を言って笑ったり適当にお菓子をつまんだりしてのんびりと進む。


しかし徐々にメリーランド州の奥深くなるにつれて目に付くのははるか大自然のみ、田舎に来たなぁという感じになってくる。しかし驚くくらい道がまっすぐで単調で、何もない。牛しかいないの。ここは何なのよ、って思ったね。そしてだんだん白人ばかりが目に付くようになってくる。考えてみるとワシントンDCは首都だからかもしれんけど、黒人や白人以外のマイノリティがけっこう多い。でもこうやって一歩内陸に入るとそんなのはどこ吹く風、って感じやね。


昼前にメリーランド州を抜けてペンシルベニア州に入り、適当な町でハイウェイを降りて、小さな町で休憩して昼飯を食べる。あまり選択肢はなかったのでピザハットに入ってバイキングみたいな感じのを頼む。


対応してくれたウェイターは特に感じが悪いわけではなかったけれど、アクセントがかなり独特で、何を言っているのかよくわからなかった。強いて言えばアメリカ田舎なまり、というかそういう感じ。回りをみても白人ばかりでアジア人なんか僕らだけだし、けっこう田舎に来たなという感じになってくる。


そこを出たあと、風景はさらに単調になってくる。正直に言って書くべきことはあまりない。ただただ二人で眠気をさますためにしゃべりながら着実に進んでいった。


4時ごろオハイオ州に入り、6時前くらいにクリーブランドの少し先の小さな町で泊まり、いくつかモーテルをあたってみる。モーテルというものに泊まるのはお互い初めてだったので値段の相場がどれくらいか、どういう感じの部屋なのかよくわからなかったけれど、いくつか見た結果値段がやや高かったけれどコンフォート・インに入ることにした。


そこは近くに五大湖のひとつ、エリー湖があるというので車で湖まで行ってみることにした。残念ながら夕日は見られなかったけれど、湖は不思議に僕の心を和ませてくれた。水辺で犬を遊ばせている家族がいた。とても楽しそうに見えた。


それから近くのレッドロブスターに入って夕食を食べた。まわりの奴らが全員太っているのが少し気になったけど、出てきた食事見て納得。ばかみたいに一皿がでかい。こんなのとても食いきれるか!「デザートはいかがですか?」とウェイターがきくが、ふと隣で食事をしている見事に太った家族のテーブルを見てみると、3スクープくらいのアイスをのっけたアップルパイをおいしそうに食べている。もはや笑うしかないね。当然デザートは断った。


一日目にしてはなかなか順調だったと思う。だいぶ疲れたけど。ペンシルバニアへ

まだ先は長いし、まぁゆっくりやろうや、って感じですかね。ちなみに写真は、小さくてわからんと思いますが(笑)ペンシルバニア州に入ったことを知らせるウェルカム・マーク。単調なたびの中で、州越えは数少ない楽しみの一つでありました。(続く)