シンガポールはチャイナタウンだ! | koroのいきあたりばっ旅:アメリカ大陸横断編

シンガポールはチャイナタウンだ!

7月27日-シンガポール-


シンガポール2日目。朝8時くらいに目が覚め、シャワーを浴びて昨日も行ったホテルのすぐ目の前にある中華フードコートでまたご飯を食べる。昨日とは別の店でまた麺を食べる。昨日のとはちょっと違って普通のラーメンに似ているものだったけれど、これもとてもおいしかった。ちょっと辛かったけど。


そして歩く。まずはマーライオンを目指す。というか、シンガポールに来て見るべきものというとマーライオンくらいしか思いつかない。それに僕の名前にも似ててちょっと親しみあるし。


しかし暑い日だ。すぐに喉が乾く。


メトロで川の近くまで行って、そこから河口まで下る。メトロはすごくきれいで近代的。


ラッフルズ上陸地点というのがあったが、ふうんそうなんだと思うだけ。ラッフルズはシンガポールを建設した人だ。ちなみにマレーシアなどにあるラフレシアという幻の花の名はこのラッフルズからとられている。たぶん彼がラフレシアを最初に見た西洋人だということに由来しているのだろう。へぇー。マメ知識。


マーライオンは海辺にある。実はマーライオンは新旧二つあって、古いほうは本当に小さくて「世界三大がっかり」(有名なわりには実際に行ってみると大したことなくてがっかりするから)に数えられているほど評判が悪かったので、今のマーライオンはすごく巨大だ。どはーっと大量の水をその口から吐き出している。


晴れていて海もきらきら輝いていたし、とても気持ちがよかった。マーライオンはなかなかいいじゃん、と僕は思った。すごく感動するほどじゃなかったけど。のどが渇いたのでジュースを買って飲むと、そこの屋台のおばちゃんに「ニホンジン?」と日本語で言われた。「うんそう」と言うと、「ガッコウ?」とそのおばちゃんは言った。意味がわからなかったが、修学旅行で来たのか、ということをきいているようだった。「違うよ。遊びできたの」と言うと、意味が通じたのか知らないけどうんうん、とうなずいていた。


そのへんでしばらくぼんやりと時間をつぶし、そこからチャイナタウンに歩いていく。


ちょうどチャイナタウンに着いたのはお昼ごろだったのでご飯でも食べようと思って適当なフードコートみたいなところに入っていくと、「うお!」すごい人人人!一面人だらけ!


そしてどうだ、この熱気!中国語の怒号!すごい。この迫力には圧倒されてしまう。「チャンミンチャンナー」みたいなことを店のおばさんが怒鳴る。「ミータイツィツァオ」みたいなことを客が言う(すんません、僕には中国語の知識はないので適当に書いてます)。


ここはいったいどこだ?中国か?僕は中国に行ったことないけど、たぶん実際の中国もこんなもんなんじゃないかと推測する。ともかくまわり中国人ばかりの中で(たぶん日本人はじめとする観光客は僕だけだったろうと推測する)チキンライスを食べる。なかなかおいしかった。これで3ドル(200円くらい)。マレーシアほどじゃないけどとにかく安い。シンガポールって、話にはきいてたけど、町全体がチャイナタウンみたいなものなのねぇ。


満足して、それから少し街の中を歩いて帰る。昨日も行ったけど、もう一度インド人街に出かける。インド人のおじちゃんたちが集まって何かやっているのでのぞいてみると、どうもチェスみたいなもので遊んでいる。それをみんなでじっと見ている。僕はそれをじっと見ている。どうも暇人ばかりだ。人のこと言えないけど。


歩いていると日も暮れてきたし腹も減ったのでインド人街でカレーを食べる。インド人街ならマレーシアでもそうだったけど、きっとおいしい本格的なカレーが食べられるに違いないと思ったのだ。しかしここのインド人街も、歩いている人は見事にインド系の人ばかりで、サリーをきて歩いている人も多い。


適当にインド人街を歩いて、少しは客が入っている食堂のようなところに入ると、インド人っぽいおじちゃんがいて、「何を食べるか?」ときいた。僕は何かよくわからないので、そこにかかっている写真を見て、ご飯とカレーの具がまわりに置いてある皿をゆびさして、「あれが食いてえ」と言った。


「よし、わかった。何か飲み物は?」ときかれたので、「レモンジュースをください」と言うと、「生のジュースはない。缶しかない」と言われたのでちょっと面食らった。マレーシアではカレーを食べるときにいつも生のフルーツジュースを飲んでいたのだ。しかしここでは少し違うのだろう。コーラを頼んだ。


料理が出てくるまで、ぼろっちいテーブルに座って、ほおづえをついてとおりをぼんやりと眺めていた。近くに電気店があるらしく、音楽が流れているのがきこえてきた。どこか懐かしい感じのするインドの音楽のようだった。夕暮れが近いからなのか、人々はどんどん通りに出てきて、何か笑いあったりしながら歩いているた。奇妙に心のなごむ光景だった。


カレーがでてきた。これはスパイシーで量もたっぷりあったしうまい。これが7シンガポールドル。本当はさらに50セント分高いのだけれど、インド人のおじさんがおまけしてくれたのだ。「あんた日本から来たんだろ?遠いところよく来たよ。これ、うまかったかい?」とおじさんはにこにこして僕に声をかけてくれた。「とてもおいしかった」と答えると、おまけしてくれたのだ。旅ももう終わりに近い。最後にいい気分になれたな、と僕は思った。(続く)