ラーメンと動物園 | koroのいきあたりばっ旅:アメリカ大陸横断編

ラーメンと動物園

シンガポール 2005年7月26日


さて、ジョーダン問題 も一応片がついたので、気を取り直して外に出てみる。


・・・だが、考えてみれば通りの名前すらもわからない。何しろガイドブックは持っていないし、知り合いもいないのだ。宿でもらった地図によればここは市内の中心部からは外れているが、インド人街に近いみたいなのでとりあえずそこまで歩いてみることにする。


その前に腹が減ったので、まず宿のすぐ向かいにあるフードコートみたいなところ、というかざっくばらんにいえば大衆食堂みたいなところに行ってみる。


中に入ると、いろいろな中華系の料理が並んでいる。時間が中途半端なせいか(5時ごろ)、客はそんなにはいない。ラーメンみたいなのを売っている店があったのでそこに行って適当に注文してみる。中国語、というか漢字でメニューが表示してあるのでわかりやすい。餃子麺と書いてあるのがあって、これはおそらく餃子が入っているラーメンのことだろうな、と推測する。こういうのは日本人にとっては便利だよな。


おじちゃんとおばちゃんがざっざっと大なべで麺を茹で、それを日本でよくあるラーメンの深いどんぶりじゃなくて、平皿に盛っている。見ているとなかなかおいしそうである。僕はさっきの餃子麺を注文した。これはラーメンというよりは暖かい冷やし中華に近い。お皿に乗った細麺に小さな餃子が乗っていて、そこにごま油に似たタレをかけて食べる。これは予想通りとてもおいしかった。


ようやく元気を回復して、満足してそこを出て歩いていく。見る限り、シンガポールはとても清潔な街だ。そして治安も良い。こういうところなら気持ちよく暮らせるだろうなぁと思う。食べ物もうまいし。けっこうマレーシアに似ているところも多いのだけれど(何しろ昔は同じ国だったのだ)、ここは何しろ中華系が7割を占めているから、街全体がチャイナタウンみたいだ。あちらこちらに中国語の看板がある。そして人々はけっこうおしゃれである。女の子達は日本みたいな格好して歩いている。日本人も多い。なんだか日本を思い出す。


インド人街ではバザールみたいなのをやっていて、楽しかった。何も買わなかったけれど、けっこう買っている人は多かったようだった。さて、これからどうしようか、と考える。シンガポールといえばマーライオンだけど、ともかく今日は時間も遅いのでそれは明日にまわして、今日は電車とバスに乗って一時間くらいのところにある動物園に行くことにする。


ここにはナイトサファリがあるのだ。その名の通り、サファリなんだけど、夜やるあたりがすごい。観光客が多かった。バスで僕の隣に乗った人たちはフランス語をしゃべっていたし、僕の前には日本人のカップルがいた。動物園にはどこに行っても日本語の表示があった。やはり日本人が多いのだ。


動物園はけっこう混んでいるかと思ったけれど、それほど混雑もしていなかった。園内を一周するトラムに乗っていろんな動物を間近に見る。すげー。本物のサファリに来たみたいだ。ライオンが活発に活動していて、とても興味深い。こっちに来ないことはよくわかっているのだけれど、それでもぐぉおおおおん、と吼えているのを見ると正直ちょっと怖い。そしてライオン同士がいきなり喧嘩をはじめる。「ははは、こどものライオンがじゃれあっていますね」とガイドが笑って説明するけれど、まわりの人の顔はみんなひきつっている


途中で降りて、ジャングルの中を実際に歩いてみる。園内は本当に暗いのでちょっと不気味な感じがする。モモンガみたいなやつがすぐ近くにいて、木にとまっていた。ひょこひょこと動いて、僕のほうをじっと見ていた。なんだかかわいいやつである。


とことこ適当に歩いていると、「こうもりの館」(みたいなところ)があるので、どんなもんかと思って入ってみる。前に入った人たちが「ぐわー」「ぎゃー」「もうヤダー」という悲鳴を上げているのを聞いて占いおばばの館に入る悟空たちのような気分になったが、覚悟を決めて入る。


中は真っ暗で、何がいるのかわからない。と、上を見るとでっかいこうもりがわっと大きな音を立てて飛んでいくのが見えた。けっこう距離があったが、羽根(?)の大きさのわりに顔が極端に小さいのが見えた。うえージャングルの中にはあんなのがいるのか、こえーなー、と思って前を向いた瞬間、


ぶぁさっ!!」 ぎえええええーーーー!!!


な、なんと、巨大なこうもりがびょーっと目の前をかすめていったのだ!これにはびびった。あんなに巨大なのがいるのか!ジャングルの中で夜明かしはしたくないなーと本気で思ったkoroであった。


そしてまたまたトラムに乗って、もう半分のトレイルに入る。白と黒のでっかいバクがすぐ近くにいた。げぇっと思った、だって今まで獏なんてすぐ近くで見たこと無いもん。そのほかいろんな動物を見て、そして帰る。なんだか興奮さめやらぬという感じだし、隣の部屋がうるさかったからなかなか寝付けないかなと思ったけれど旅の疲れでいつのまにか寝ていた。 (続く)