バルセロナ(3) | koroのいきあたりばっ旅:アメリカ大陸横断編

バルセロナ(3)

10月30日(土)-バルセロナ


朝、まわりの人たち-というのは、昨夜遅くまで遊んでいなかった人たちのことだ-が起きてごそごそやる音で目が覚めた。久しぶりに飲んで、頭がぼんやりする。こんなに飲んだのはロンドン以来だ。


オージーもイタリア人も、まだ寝ていた。最初、昨夜のことがあまりよく思い出せなかったけれど、何となく思い出してきた。ふうっ、とため息をついて、意味もなく首をぐるぐる回した。ベルギー人の2人はもういなかった。


ともかくシャワーを浴びて、本日の行動に移る。まずバルセロナ・サンツ駅に行って明日のマドリッド行きの切符をとり、それからバルサの本拠地、カンプ・ノウスタジアムに行く。しかし結局何も買わずに街へ戻って、カテドラルとゴシック地区を見て歩く。バルセロナは大きな街だけれど、この地区をはじめとして趣のある建物が多い。


そしてまた港へ出る。バルセロナは港があって、なんとなく伊東 を思い出させる。そこでしばらくぼおっとしている。


旅の疲れか、そこまで歩くと何だかぐったりと疲れてしまったのでホステルに戻って一休みしようかと思って部屋に帰ると、15人くらいの男女が部屋の電気を消して寝ていた。


なんだこいつらは?と思ったけれど、まぁ邪魔するのも何だし、香水と酒の匂いが部屋中に漂っていてとても休めそうになかったのでラウンジでぼんやりと本を読んだり、フランス人のトーマス(昨日出会っていた)と話をしたりしていた。


彼はフランス人なのに英語が上手だった。きくと、特に留学をしていたわけではなく(ロンドンには何度も行ったことがあるらしいが)英語の厳しい教育を受ける学校に行っていたらしい。彼は「日本で事件があったね、ええと、何だったっけな、あの英単語は・・・」と言った。「そうそう、earthquake(地震)があったよねつい最近」と彼は言った。


僕はてっきり彼が阪神大震災のことを言っているのだと思って、「そうだねえ、あれはコーベというところでね、5千人くらいの人がなくなったはずだよ」と説明していたが、トーマスは「そうじゃないよ、コーベっていう名前じゃなかったな、たしか。それに、つい何日か前のことだよ。昨日じゃなかったかな?」と言ったので僕は最初半信半疑だったのだけれど、もしかして、と思ってあわててそこに一台だけあるネットに飛びついて調べてみると、新潟で大地震があった、というニュースばかりだった。


うおーなんてことだ、と僕は思った。スペインを旅行していたから全く知らなかったのだ。とりあえず僕の親戚にも家族にも新潟にいる人はいないから一安心した。しかし、もしこれが東京で、あるいは家族のいる埼玉での大地震だったらどうしたんだろう?情報というのは普段は気にもしてないけど、ないと困るときもたしかにある。


7時過ぎに近くの適当な食堂で食事をし、大通りをあてもなく歩いた。今週末はヨーロッパでは月曜日が休み(カトリック系の休日らしいが詳しくはわからなかった)なので余計に人が多いようだった。夜も通りには人があふれ、大道芸人が人を集めていた。スパイダーマンもいた。


そしてホステルに戻ると、予想通りさっきまで寝ていたクレイジーな同室者達は再び夜遊びにでかけていていなかった。昨日のイタリア人とオージーはいなかった。僕のベッド(2段ベッドだ)の下で知らない男がすでに寝ていた。僕もシャワーを浴び、隣のベッドのアメリカ人の女の子(シカゴから来たんだけど、今はグラナダで勉強しているの)と話をし、本を読んで寝てしまった。