スペイン前夜 | koroのいきあたりばっ旅:アメリカ大陸横断編

スペイン前夜

僕(koro)は去年の後半にベルギーにいました。1セメスターだけ交換留学のようなもので行っていたのです。このプログラムの良いところは、秋休みが長くて10日間くらいあったことでした。


ベルギーでの生活の話はまたいつか書きますが、とりあえず、スペインに行く直前の話を少しだけ書いておきます。暇だったのでだらだらと書いていた日記から、ほとんどそのまま写したものです。

今になってみると、なかなか面白いですね、自分の日記を読んでみるのも・・・。

2004年10月23日(金)


まったくまったく。また日記をつけるのをサボってしまった。まぁ自分のために書いてるわけだから、どうでもいいと言えばいいんだけど・・・。この一週間、テストとペーパーやらなにやらに追われてとても忙しかったし、僕にとってはあまりいい一週間じゃなかった。週の初めは15枚のインターンペーパーを集中して書いていて、そのあとはテスト勉強をしていた。


自分ではけっこう勉強したつもりだったのだけれど、木曜のテストは散々の出来だった。たぶん僕が今まで受けたテストの中で一番か二番くらいに出来なかったテストだろう。とくに筆記は最悪で、言葉がまったくでてこなくて、ほとんど白紙で出した。そして、参ったな、俺はここでいったい何をやっているんだろう、とうんざりした気持ちで思った。


しかしどうしてこんなに経済が苦手なんだろうな?よく考えたら今までの通算のの成績の中で経済が最も悪くてC以外とったことがない。もし経済がなかったら、僕のGPAはかなりあがっているはずだ。数学と同じようなものなんだろうな、と思う。よく考えてみたら高校の時だって数Aのテストで45点以上とったことがなかった(もっとも、そのテストの平均点は毎回30点台だったけれど)。


 さてまあそんな話はおいておいて、要するに経済は苦手なのだ、宿命的ともいえるくらい。そんな自己嫌悪におちいった僕だったけれど、良いニュースもあった。翌日の金曜(つまり今日)に予定されていたEUⅠのテストが延期になったのだ。どうしてかというと、ブリュッセル地区で大規模な交通ストが予定されていて、生徒が学校に来られないということがわかったからだ。メトロもバスもトラムも24時間完全にストップしてしまう。


ヨーロッパは労働組合の力が強いときいていたけれど、まさか実際に経験することになるとは思わなかった。そんなストははじめてだ。日本では最近まずストなんて見かけないからね。ともかく、テストはないので秋休みが一日早くはじまることになり、みんなうきうきしながら帰っていった。

今日(金曜)、本当にストでメトロがとまっているかと思って好奇心から駅に行ってみたら、意外にも何人かの人がメトロを待っていた。あれ、ストは回避されたのかなと思ったけれど、やっぱりメトロは走っていなくて、待っている人たちは本当に知らない人か、ただ面白半分に待っている暇人、という感じだった。


学校に行く必要はなかったけれど、久しぶりに晴れて気持ちがよかったので歩いて学校まで行ってみることにした。


 

久しぶりの晴天だった。ベルギーではこの季節はすでに寒く、くもりがちの日が多いのだが、今日は見事に晴れて風もなく、ぽかぽかと暖かかった。紅葉もちょうど見ごろだ。結局アルデンヌ地方に紅葉を見にいくことはできなさそうだけれど、まあしかたがない。僕らはここに勉強しにきているのだから。それに明日からはスペインにいくのだ。


スペイン。10日間もある秋休みにはどこか遠くへ行きたかったが、寒いところは嫌だったのでこの太陽にあふれた南国を選んだのだ。結局その程度の理由しかないし、スペインについて何を知っているわけでもない。言葉も知らないし、歴史もあまり知らない。でも、スペインに行こうと決めてしまうと、すぐに飛行機のチケットを取ってしまった。



学校の中庭にあるベンチに座ってしばらくのあいだぼんやりする。木々は美しく紅葉していて、たまった落ち葉を踏むとかさかさと乾いた音がする。学校には人がほとんどいない。今日がストだからかもしれない。明日からスペインに行くなんて信じられなかった。



家に帰って荷造りをする。そして、何だか落ち着かない気分で一日の残りを過ごした。